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May 17, 2017

大学院で私の指導を受けたいという学生さんへ(1)ほんとにうちの大学院で,私でいいですか?

「大学院で先生の指導を受けたいです」と言ってくださる学生さんがたまにいらっしゃいます.研究者冥利に尽きることであり基本的に歓迎です.ただ,研究者としての就職の大変さは昨今の大学をめぐる情勢からも明らかであり,安易に研究者としての道を進めることはためらわれます.幸いにして私の勤務先である関西学院大学法学研究科は,修士学位取得をした上で,公務員や民間企業に職を得ておられる事例も多く,そういう方向けのコースをエキスパート・コースとして用意しています.なので研究者になる気はないけどもう少し勉強したいな,という方にはこちらのコースをお勧めします.

 一方,研究者を目指す方のためにはアカデミック・コースが用意されています.基本的には課程修了して博士学位を取得,研究職を目指すわけですが,学位取得から就職までの期間が長期化することも珍しくありません.そのような現状を踏まえてなお,研究者の道を目指そうという方を応援したいと思い,このような文章を書くことにしました.

 研究者としての就職を考える場合,有利なのはやはり多くの研究者を輩出している大学院ということになろうかと思います.なぜなら先輩から多くの情報を得られるからです.そういう意味ではやはり老舗の研究重視の大学は強いように見えます.政治学系で私に近い分野ですと今なら早稲田大学の政治学研究科神戸大学法学研究科がよいように見えます.なぜならいずれもコースワークなどもしっかりしており,近年も継続的に若手研究者を輩出しているからです.たとえば早稲田の政治学研究科であれば,「政治学研究方法」という科目が「経験」「数理分析」「規範」と3種類用意され,いずれも定評ある研究者によって開講されています.そういう大学院を本命にして私のところを滑り止めにするというのも立派な戦略ですし,それはそれで結構かと思います(現研究科副委員長としてはつらいところですが).

 しかしまあそういう大学院に不幸にして合格せず,本学にお見えになることもあろうかと思います.その場合は当方として最善を尽くさせていただくまでです.幸いにして関西の政治学コミュニティは横のつながりが強く,院生がどこの大学院にいようと育てていく雰囲気があります.学内学外を問わず研究交流の機会をぜひ生かしていただきたいと思います.
 
  さて指導教員を私にとおっしゃってくださるのは大変うれしくありがたいことですが,あなたは私の研究をどれくらい読んでくださっているでしょうか?私から何を学ぶかについて具体的な考えを持っていますか?可能であれば私が書いた論文はできるだけ読んでください.その上で研究者としての私の長所と短所を把握するように努めてください.近い分野を研究している他の研究者とも比べてみてください.その上でやはり私を選ばれるのであれば,ぜひいらしてください.その場合,大学院受験に先立って私と面談の機会を持ちましょう.その際に私の人物をぜひ確認してください.好かないタイプの人間を指導教員にすることは不幸です.私の言動に気になるところがある場合,私を選ばない方がいいかもしれません.また受験前に本学の研究環境を確認する上でも直接足を運ぶ機会を作ることを薦めます.現在私が指導する院生には修士課程1年目,2年目の院生がいますので,彼らを紹介することもできます.

 というわけで今回はここまで.大学院選び,指導教員選びは一生に関わるのでどうぞ慎重に.

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